• 少し目を離すと、あの大きな鳥はいなくなっていた。

    「あの鳥…なんだったんだろう」まぁいっか、と気にせずフレンドリィショップへと入った。

    「こんにちわー」

    「あ!」

    キュピーンといったような目で発見され、店員がこっちへ歩いてきた。



    何?何?

    あたし何も悪いことしてないよ?(笑



    「あなたマサラから来たんですね!?丁度よかった。オーキド博士に渡すものがあるので届けてくれませんか?」

    「はい…別にいいですけど…」



    …なんでこの人あたしがマサラから来たって分かるの??

    もしやストーカー!!(゚Д゚〃)

    キャvちゃんピンチ!



    「では、宜しくお願いします。…もしもーし」

    あたしがふけっている最中、店員に話しかけられた。

    変な人に見られたかも!?

    結局買い物できずに、またマサラへと戻ることになってしまった。

    帰り道も、面倒だけど草むらをわざわざ通って帰った。

    フッシーのレベルを上げるため。努力あってグングン上がった。

    「よかったねー、フッシーv」

    「ダネダネッ」

    「えーと、さっき何覚えたんだっけ?あ、やどりぎのタネだっけ?」

    「ダネッ」

    「そっかそっかー。お前も便利な技を覚えたな」

    ハッキリ言って、やどりぎのタネは本当に役に立つ。

    相手の体力をジワジワと奪っていくのだ。

    「もうっフッシー大好きvV」

    最初にフシギダネを選んで、本当に良かった。

    とても、愛らしいんだ。













    「ちわーっす」

    挨拶をして、研究所に入る。

    「おぉ、か。どうした?」

    「トキワのフレンドリィショップから預かってきました」

    そう言って荷物を渡す。

    「おぉ、有難う。わしも丁度お前を呼び出そうと思っておったんじゃ」

    呼び出すって…どうやって?

    「ん?あ、もジーさんに呼ばれたのか」

    「いや帰ってきただけ」

    「俺に会いに?」

    「アホ抜かせ」





    グリーンは昔から何かと突っかかってくる。

    どういう意図があるのかは知らないが。

    グリーンはカッコイイと思う。

    あたしなんかにかまっていたら女の子が寄って来ないと思うんだけど…。





    「まぁまぁ、とりあえずそこに座れ」

    オーキド博士に言われて床に座る。

    コテッとグリーンにもたれかかって座った。

    「何だよ、積極的じゃん」

    「疲れただけよ」

    「若いもんはいいのぅ」

    「で、博士。本題は?」

    「おぉ、そうじゃった。本題なのだが…お前達二人に、わしの長年の夢、ポケモン図鑑を完成させて欲しい」

    オーキド博士から発せられた、ポケモン図鑑というもの。

    それは、この世界にいる151匹のポケモンを記録するものらしい。

    「なーるほど。ってことは、俺の出番だな。残念だけど、お前の出番はないぜ?何てったって、俺が全ポケモン集めるんだからなー」

    そう言うと、スタスタと研究所から出て行ってしまった。

    「何よ!ムカつくわね!博士!あたし、グリーンより早く図鑑完成させてみせますからッ」

    「ウム。も頼んだぞ」






    新たなる、大志を抱いて旅に出た。






    リーグ制覇とポケモン図鑑。






    どちらも…グリーンに負けるわけにはいかない。